小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
門の前で待っていたのは、それぞれ自転車にまたがる良ちゃんと圭。
ふたりとも、白い体操服姿だ。
まさか圭まで来ているとは思わなかったから、不自然に目が泳いでしまう。
「毎朝賑やかだよね、歌恋んちは」
良ちゃんに言われ、あたしは気を紛らわす為に「でしょ?」とわざと得意げに言った。
「いや、別に褒めてないし」
良ちゃんが苦笑する。
「今日はどっちに乗りますか? 歌恋様」
良ちゃんが言うと、太陽の陽ざしに目を細め少し顔を傾けながら、圭がこちらを向いた。
睨むような圭のその眼差しに、あたしの心臓が荒ぶる。
ダメだ。
最近の圭は、視線のひとつ一つがセクシーになりすぎ。
圭は不機嫌なのに、目を細めてあたしを見る一瞬の眼差しに、クールな色気を感じてドキドキしてしまう。
直視できない……。