小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


小さい頃から何故かよく虫に刺されるあたしは、ふくらはぎや腕をかきむしって血を流しては、良ちゃんが薬を塗ってバンソウコウをはってくれてた。


今でも虫さされのあとが黒く残っていて、キレイな肌になりたいなと思うこともしばしば。


それを知っているから、良ちゃんは用意してきてくれたんだ。


あたしが持ってこないってのも、わかってたんだね。


課外授業は現地集合の為、ゴマ畑の道ではなく海沿いの道を走る。


押しては引いて、引いては押して。


防波堤の向こう側に見えるサファイアブルーの海が、太陽の陽ざしを反射して、波打つ度にキラキラと輝いていた。


目的地が近づくと、先についていた中学生達の騒ぐ声が波の音に混じって響いていた。


あたし達3人に気づいたみんなが、こちらに向かって大きく手を振っている。



< 57 / 495 >

この作品をシェア

pagetop