小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
ウエットスーツとタンクを下ろしただけで、急に体が身軽になって何でも出来そうな気がしてきた。
女子更衣室を出ると、着替えの早い男子はすでにキャンプ場へ移動する準備が出来ていて、あたし達は男子に後れを取らないように自分達の荷物を抱えて駆け寄った。
ドックン……。
髪の濡れた、圭の後ろ姿。
長めの襟足から水が滴っていて、首にかける白いタオルで顔を拭いている。
良ちゃんがあたしに気づき手招きすると、白いタオルを口元に当て、眩しそうに目を細める圭もこちらを振り向いた。
一体、圭には何の力があるの?
どうしてそんなにあたしの寿命を縮ませるようなことをするの?
バカ……これ以上好きにさせないで。
接し方がわからなくなるじゃん……。