小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「あ……。ごめん、起しちゃったね」
あたしは肩をすくめて身を縮ませる。
「圭もたまには真面目に問題解きなよ! しょっちゅう寝てんじゃん!」
良ちゃんは、キっと目を吊り上げて、圭を睨みつけた。
この暑さと難しい問題で、良ちゃんのイライラはMAXなんだろうね……。
圭は、ご立腹な良ちゃんに向かい、静かにプリントを見せる。
うわ……。
全問、終わってるし……。
「いつの間に解いたの?」
良ちゃんが目を丸める。
「さっき」
良ちゃんにクールに返した圭は、また机に伏せようとした。
「何なの、この差! ちょ、歌恋! 死ぬ気でやんなきゃ、圭には追いつけないよ!」
今にも噛みつきそうな勢いで言った良ちゃんは、一度プリントに視線を落として、再びガッとあたしを見た。