小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「あっつ……体力消耗し過ぎて倒れそう」


あたしが力の入らない声で言うと、駐輪場から自転車を取りだした良ちゃんも疲れきった表情で頷いた。


空から照りつける日差しと、それを反射して下からあり得ない程の熱を発する白い砂。


暑い鉄板に挟まれたあたし達は、いいステーキになりそうだ。


「アイスでも食う?」


良ちゃんの隣から自転車を引っ張りだした圭が、溶けて消えてしまいそうなあたしと良ちゃんを見て眉をハの字に垂らした。


そう言えば最近、圭はバイクではなく自転車で通学するようになったけど、どうしてかな……。


あたしと良ちゃんが楽しく通学してるのを見て、寂しくなったとか?。


見かけによらず淋しがり屋な圭とか、可愛すぎるんですけど!


まぁ、今度理由を聞いてみよ。


そんなことより、今はこの暑さを抑えるアイスが先!


「アイス食べる~! 良ちゃん、頑張って自転車漕いでね!」


自分でも単純な性格だなって思う。


今にも倒れそうな程身がボロボロだったのに、“アイス”って言葉だけで復活したんだから。




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