小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「さぁ! 出発進行!」
良ちゃんの自転車の後ろに立ち、前方をピンと指差す。
良ちゃんと圭は、調子のいいあたしを見て、呆れて笑いながら肩をすくめていた。
正門を出て、ゴマ畑の道へ進む。
真っ直ぐに続くゴマ畑の道には、あたし達3人以外誰もいなかった。
車も通らない道を、歩道からはみ出し堂々と車道を走るあたし達。
行きとは違い緩い下り坂なので、良ちゃんがペダルを少し漕いだだけで、自転車はサーっと風を切って進んだ。
心地いい風が、あたし達3人の制服と髪を揺らす。
圭はあたしと良ちゃんの少し前を走り、半袖のシャツを肩まで曲げていた。
ガッチリではないけど、程良く筋肉のついた二の腕が見えて少しドキリとしてしまい、目のやりどころに困る。