光のもとでⅠ

　事務室では加藤さんがまっさらな用紙を用意して待っていた。
「来ると思ってたわ……。藤宮くん、これにフルネームね。それとコピーするからそれにもサインだけ入れていって」
「ありがとうございます」
「それにしても多いわねぇ……。今年はいくつかしら？」
「そんなことは気にせず、早くコピーをとっていただけませんか」
　冷ややかな笑みを添え、次の行動を促す。
　そうして追加された用紙に、「司」と一文字ずつ記していき事務室をあとにした。

　不機嫌のままに歩いていると、教室に戻るまでにまた何度か声をかけられた。
　もう呼び止められるまいと、歩みを進め教室に戻る。
「司、眉間にシワ」
　嵐に指摘されても直しようがない。