光のもとでⅠ
 見て、と言わんばかりにピアノの向こうを指差した。そこには、四角、丸、大小様々な箱が積まれていた。
「少しショップを見て回ってたら、翠葉ちゃんに似合いそうな帽子とかカーディガンとかワンピースとかたくさん売っててさ。サイズも園田さんに確認したから間違いないし」
「あーた、何しに海外行ったんですか……」
「失礼だな。仕事はちゃんとしてきたさ。空いた時間にショップを覗いて回っただけ」
 それはつまり、覗いて回るたびに何かを購入していた、ということだろうか……。
 分量からするとそんな感じだ。
 そこへリィが現れた。
「ただいま」
 秋斗さんが声をかけると、リィは秋斗さんを見たまま固まった。
「あれ? フリーズ?」
 秋斗さんはソファを立ち上がり、リィに近づく。目の前で手を振ると、ようやくリィが反応を見せた。
< 10,022 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop