光のもとでⅠ
 ガラスアイテムといえば、とんぼ玉をあげた手前、また同じものになるのは避けたいところ。
 残るオルゴールはいい選択肢だと思ったが、翠が今まで集めてきてオルゴールの曲を知らない。
「……栞、か?」
 栞といえば、紙製のものから皮製、金属と種類は豊富にある。劣化を考えるのなら、皮か金属。そのふたつならどちらであっても手作りが可能な気がした。
 皮専門店にも伝手はあるが、生憎今日は定休日だ。それなら――。
 俺は電話帳からひとつの番号を呼び出した。

 藤宮のお抱え宝飾デザイナーに相談したところ、栞本体の金属を作って送ってもらえることになった。それと一緒に入っていたものに面食らう。
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