光のもとでⅠ
 どんな表情をしているのか細かいものは読み取れないけれど、少し口が開いている気がした。
 ここでずっと見ていても仕方ないし、メールだけは送っておこう。
 でも、なんて送ったらいいのかな。
 考えているときに気づく。自分の首が傾いていることに。
 これのこと……?
 今朝、司先輩に指摘されたのはこれのことだろうか。
 少し考え、軽く会釈をして帰途についた。

 最近、私の心や頭はとても忙しい。
 気になることがいくつもありすぎて、どれひとつとして答えを出すことができていない気がする。
 ひとつを考えようとすると、また次のものが降りかかってきて、気がついたら読みかけの本があちらこちらに散らばった部屋のようになってしまっている。
 実のところ、物事は降ってきているのではなく、私が一歩歩くたびに壁に激突してるだけなのではないだろうか、と思ったり。
 とりあえず、散らばっている本に優先順位をつけるところから始めないとダメそう。
 順番を決めている間にまた本が増えたらどうしようかな……。
 そんなことを考えつつ学園私道を出ると、目の前に公道が現れた。
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