光のもとでⅠ
「美鳥さん、またやっちゃったのね」
その言葉に、やっぱり、と思う。
「あー……そのようだ。申し訳ない」
と、ハスキーな声が聞こえてくる。
対馬美鳥、この階下の住人だ。
「ずいぶんとお疲れみたいですね?」
「バカ兄貴たちが急に海外へ行くとか言い出すからだっ! こっちは締め切り前だというのにっ」
「もし良かったら、今日、うちでご飯を食べていきませんか? 食材が余ってるの」
「……栞くんが天使に見える……」
「あああ、ちょっとっ! ここで寝ないでくださいっ! 蒼くん、美鳥さんを奥に運んでもらってもいいかしら?」
「……了解です」
美鳥さんが間違えてゲストルームのドアを開けようとすることはそう珍しいことではない。
翠が目を見開いて、御園生さんが抱える人間を見ていた。
「対馬美鳥さん、美しい鳥って書いてミトリ。この部屋の真下、八階の住人」
そう伝えると、翠はなんとなく状況を察したようだ。
「ロッククライマーで物書き業をしている人」
変な組み合わせだな、と思いながら自分が持つ情報を開示すると、翠は俺を凝視していた。
即ち、組み合わせがおかしいとでも思ったのだろう。
その言葉に、やっぱり、と思う。
「あー……そのようだ。申し訳ない」
と、ハスキーな声が聞こえてくる。
対馬美鳥、この階下の住人だ。
「ずいぶんとお疲れみたいですね?」
「バカ兄貴たちが急に海外へ行くとか言い出すからだっ! こっちは締め切り前だというのにっ」
「もし良かったら、今日、うちでご飯を食べていきませんか? 食材が余ってるの」
「……栞くんが天使に見える……」
「あああ、ちょっとっ! ここで寝ないでくださいっ! 蒼くん、美鳥さんを奥に運んでもらってもいいかしら?」
「……了解です」
美鳥さんが間違えてゲストルームのドアを開けようとすることはそう珍しいことではない。
翠が目を見開いて、御園生さんが抱える人間を見ていた。
「対馬美鳥さん、美しい鳥って書いてミトリ。この部屋の真下、八階の住人」
そう伝えると、翠はなんとなく状況を察したようだ。
「ロッククライマーで物書き業をしている人」
変な組み合わせだな、と思いながら自分が持つ情報を開示すると、翠は俺を凝視していた。
即ち、組み合わせがおかしいとでも思ったのだろう。