光のもとでⅠ
「栞ちゃんっ、オーラがどす黒すぎ!」
「でっ、翠葉ちゃんはっ!?」
「んー……なんて言ったらいいのかな? 最初から話すとこんな感じ。蒼樹さんが偶然キスマーク見つけて、俺らも見ちゃって、絶叫されたっていうか……部屋から出てって言われた」
 海斗が答えると、
「蒼くんは大丈夫なの?」
 栞さんは俺を見た。
「いや……御園生さんにも出るように言ってたけど、御園生さんは少し話すって言ってました」
「そう……」
 三人、閉じたままのドアを見ていると、御園生さんが出てきた。
 閉じられたドアの隙間から、照明の光がわずかにもれる。が、すぐにそれも見えなくなった。
 まるで、廊下の先がブラックホールになったかのように暗い。
「蒼くん、翠葉ちゃん大丈夫?」
 栞さんが声をかけると、御園生さんはメガネのブリッジを押さえながら答える。
「一応……無理矢理ってわけじゃないみたいですし、首の後ろ以外には何もないみたいなので……」
「じゃ、最後までってわけじゃないってこと?」
 海斗が訊くと、栞さんの手が海斗の腰辺りをバシッと叩いた。
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