光のもとでⅠ
 そのままオペ階まで下り処置室に向かう。
 俺が献血できるのは二百ミリリットルまで。
 十八歳にならないと四百ミリリットルも成分輸血もできない。
 それに、今回輸血を行ったことで秋兄は今後献血ができなくなる。
 秋兄はあと二、三日は輸血が必要な状態だろう。
 献血は一度やると次にできるのは四週間後――。
 しばらくは月一で献血に通うかな。
 献血自体は二十分もあれば終わってしまう。
 そのあとに糖分と水分を補給するために自販機でスポーツドリンクを買い、一息ついているところに看護師がやってきた。
「司くん、涼先生から見たいなら見にきてもかまわないって伝言預かってきたのだけど、どうする?」
 観覧か……。
「行きます」
「じゃ、案内するわね」
 と、その人のあとにつき、手術が観覧できるブースへと通された。
「終わったら、今の道順で戻ってもらえれば大丈夫だから」
 と一言残し、看護師は出ていった。
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