光のもとでⅠ
「司ったら、何物思いに耽っているの? うっかりそこのドア開けっ放しだったわよ? 今度秋斗先生に言いつけなくちゃ」
楽しそうに喋るソプラノの声。
「十二時になったからお昼休憩で出てきたの」
と、茜先輩はスツールに腰掛けた。
「今日は部活ですか?」
「そう、コーラス部。朝っぱらからしっかりランニングと腹筋背筋してきたわ」
その割には汗だくにないっていない。きっとシャワールームで汗を流してきたのだろう。
「そしたらね、司が憂鬱そうな顔をして図書棟に入っていくのが見えたから追ってきたのよ」
ニコニコと話しているあたり、理由を話せと言いたいのか……。
「何もないですよ。ただ、関わりの深い人間が体調を崩して入院しただけ」
当たり障りのない答えを口にする。と、
「翠葉ちゃん……?」
茜先輩の目が不安に揺れていた。
そうか、翠が学校を休み始めて一週間か……。
楽しそうに喋るソプラノの声。
「十二時になったからお昼休憩で出てきたの」
と、茜先輩はスツールに腰掛けた。
「今日は部活ですか?」
「そう、コーラス部。朝っぱらからしっかりランニングと腹筋背筋してきたわ」
その割には汗だくにないっていない。きっとシャワールームで汗を流してきたのだろう。
「そしたらね、司が憂鬱そうな顔をして図書棟に入っていくのが見えたから追ってきたのよ」
ニコニコと話しているあたり、理由を話せと言いたいのか……。
「何もないですよ。ただ、関わりの深い人間が体調を崩して入院しただけ」
当たり障りのない答えを口にする。と、
「翠葉ちゃん……?」
茜先輩の目が不安に揺れていた。
そうか、翠が学校を休み始めて一週間か……。