光のもとでⅠ
「なぜ医局長に朝早く、しかも、わざわざ病院の医局が稼動していない日曜にお会いにいらしたのかのご説明をいただけると大変ありがたいのですが」
と、全く悪気のないよう軽やかな口調で話す。
医局長ね、それはますますもって怪しいんじゃないか?
「以前お話しましたよね? 医局の管理において、長たる場所に私がいると。何かあれば医局長を通さず私に直接ご連絡をいただけるようご了承いただいたはずなのです。医局長もそのように覚えていたようで、柏木さんからご連絡があった時点で私にその話は筒抜けです」
『もっ、申し訳ないっ。このようなことは今後一切しないので取引を打ち切ることだけはっっっ』
大の男、一製薬会社の社長たる人間の、なんとも言えないような必死さが携帯の向こうから伝わってくる。
「えぇ、そうしていただけると大変助かります。あぁ、因みに……今の会話はすべて録音させていただきましたので」
と、一言断ってから携帯を切った。
携帯を返されると同時、父さんはボールペンの芯を引っ込めた。
と、全く悪気のないよう軽やかな口調で話す。
医局長ね、それはますますもって怪しいんじゃないか?
「以前お話しましたよね? 医局の管理において、長たる場所に私がいると。何かあれば医局長を通さず私に直接ご連絡をいただけるようご了承いただいたはずなのです。医局長もそのように覚えていたようで、柏木さんからご連絡があった時点で私にその話は筒抜けです」
『もっ、申し訳ないっ。このようなことは今後一切しないので取引を打ち切ることだけはっっっ』
大の男、一製薬会社の社長たる人間の、なんとも言えないような必死さが携帯の向こうから伝わってくる。
「えぇ、そうしていただけると大変助かります。あぁ、因みに……今の会話はすべて録音させていただきましたので」
と、一言断ってから携帯を切った。
携帯を返されると同時、父さんはボールペンの芯を引っ込めた。