光のもとでⅠ
「これ、案外使えるじゃないか」
と、ボールペンを兄さんに渡す。
「もしかして、それ……俺が大学のときに作ったあれ?」
秋兄が兄さんに問う。
「そ、ボールペン型レコーダー」
兄さんがボールペンを回すと、
「へぇ……あんたって本当に無駄に変なものばかり作ってるわよね? 盗聴が必要になりそうな事態にでも陥ったことがあるわけ?」
姉さんの言葉に秋兄は苦笑した。
「いや、静さんに頼まれて作ったことがあるだけ」
そんな会話を聞きつつ、
「父さん、今日柏木親子が来てることは知ってたの?」
「あぁ、医局長にコンタクトを取ってきた時点で私には報告が上がっていた。それ以前に、柏木製薬の不正疑惑の噂を静くんからもらっていてね、マイクロカメラを少し増やしていたところだ。映像はすべて藤宮警備に転送され保存されているよ」
「あぁ、そういうこと……」
静さんの情報は外れがなく、的確な時期に知らされることが多いという噂は本当らしい。
と、ボールペンを兄さんに渡す。
「もしかして、それ……俺が大学のときに作ったあれ?」
秋兄が兄さんに問う。
「そ、ボールペン型レコーダー」
兄さんがボールペンを回すと、
「へぇ……あんたって本当に無駄に変なものばかり作ってるわよね? 盗聴が必要になりそうな事態にでも陥ったことがあるわけ?」
姉さんの言葉に秋兄は苦笑した。
「いや、静さんに頼まれて作ったことがあるだけ」
そんな会話を聞きつつ、
「父さん、今日柏木親子が来てることは知ってたの?」
「あぁ、医局長にコンタクトを取ってきた時点で私には報告が上がっていた。それ以前に、柏木製薬の不正疑惑の噂を静くんからもらっていてね、マイクロカメラを少し増やしていたところだ。映像はすべて藤宮警備に転送され保存されているよ」
「あぁ、そういうこと……」
静さんの情報は外れがなく、的確な時期に知らされることが多いという噂は本当らしい。