光のもとでⅠ
「……一番最初は、気づいたらお風呂で首をウォッシュタオルで内出血するほど擦っていたのを栞さんに止められて、二度目は寝てる間に自分で掻き毟っちゃったみたいで……」
 ……自傷行為?
 すぐに翠葉の髪の毛を持ち上げて首元を見た。
「何、これ――」
 私の一言に皆が腰を上げる。
 襟足から二センチくらい下。
 そこら中が真っ赤で出血した痕すらわかるような状態で、半透明のフィルムのようなものが貼られていた。
「だから……わからないの」
 翠葉はあからさまに困った顔をしていた。
「翠葉……俺、こんなの聞いてないよ?」
 海斗も動揺を隠せないようだ。
「うん、昨日の出来事だから……」
「嫌だったの?」
 と、訊いたのは佐野。
「実はね、それすらもわからないの。ただ……消したいとは思った。それだけしかわからないの」
 そんなのっ――。
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