光のもとでⅠ
「そこに集る人たちは私の花婿候補だから。そのとき、私のエスコートをしてくださいませんか?」
 現時点では、蒼樹さん以外の人が思い浮かばない。
 ほかの人なんて考えられない。
「相手が誰でもいいわけじゃないんです。私、自分の相手は自分で決めたいので……。家に対して食って掛かるつもりです。それには、隣に好きな人に並んでもらわないと困るんです……」
 これ、告白になるのかしら……。
 でも、相手はあの翠葉のお兄さんだし気づかないかも?
 でも、できることなら気づいてほしい――。
「蒼樹さん、何か言ってください……」
 返ってきた言葉は意外なものだった。
「っていうか、俺も誤解をしそうなんだけど……」
 私の顔を覗き込むようにして呟く。
「誤解してくださって結構です」
 私の言葉に蒼樹さんは息を呑んだ。
 そして、身体ごとこちらに向き直る。
「ごめん、はっきりと口にさせてもらう。俺は簾条さんが好きだ」
 嘘――。
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