光のもとでⅠ
 湊さんに呼ばれてリィの部屋に入ると、まずは頭のことを尋ねた。
 そしたら、「痛いです」と、弱々しいリィではなく、臨戦態勢っぽい女の子がいた。
 目に、やたらと力があった。
 謝れば普通に許してくれるだろうって気持ちがどこかにあって、安易に謝ったら許してくれないという。
 そこでまた俺の悪い癖が出た。
 投げやりというか、別に許してもらえなくてもいいし、とか言っちゃうんだ。
 一応、どうしたら許してくれるのか訊いてみると、これまた意外な答えが返ってきた。
 許すまで一緒にいろってなんだかなー……。
 リィは俺を知らなさすぎるし、男って生き物も全く理解していないと思う。
 そのうえ、手放しの無防備っぷり……。
 そこは俺だ。
 憎まれっ子のごとく、遠回しに襲うかもよ、と口にしたわけだが、全然ご理解いただけない。
 それどころか、「兄だから大丈夫!」と啖呵を切った。
 どこまでも世間知らずのお姫様。
 そこを突きつけてもなお食いついてくる。
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