光のもとでⅠ
 どうしたものかな……。
 俺、こんなにどうしようもない人間なのに、こんな純粋培養なお姫さんに信頼されちゃってさ。
 俺だって秋斗さんと一緒に行動していただけあって、ケダモノに過ぎないんだけど。
 近くで話したいようだったから、俺がベッドまで歩み寄った。
 頭はまだ痛いのか訊いてみると、再び臨戦態勢に戻るし……。
 なんていうか、許さなければ側にいられると思っているあたりが実にリィらしい。
 ちょっと思考回路おかしいけど。
 でも、そんなところがかわいかったりするんだ。
 少し話をすると、湊さんとあんちゃん、加えて蔵元さんを安心させたいと言い出した。
 それには俺も同感……。
 この子はこんなときでも周りへの配慮を忘れないんだな。
 さすが、あんちゃんの妹っていうか、いい子だな、と思った。
 湊さんとあんちゃんと少し話をしたあと、リィにセリの話を訊いた。
 まずどうしてオルゴールがリィの手元に渡ったのか。
 それが一番の謎だったから。
 聞いてみたところであまり大した内容ではなかった。
 大した内容っていうか、あまりにも普通の出逢いだったんだ。
 同じ病院に入院する患者同士として知り合い、その後何度か話をしたことがあった。
 つながりともいえないような関係。
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