光のもとでⅠ
暗闇の中でひたすらに数を数える。
何も考えないように、何も思い出さないように、何も感じないように。
ただ、淡々と数を数える。
すでに心の中に思い入れなんてものは多すぎるほどに存在している。
それらがあったままではこのオルゴールは開けられない。
ならば、一度すべてを追い出そう。
真っ白にできればいいけれど、残念ながら俺は黒く塗りつぶすことしかできそうにない。
だから、目を瞑って数を数えた。
無心――。
今度、禅寺にでも行ってみようかな。
あぁ、こういうことを考えた瞬間にバシって叩かれたりするんだろうな、なんて思いつつ、ひたすら数を数えた。
――千九十五。
目を開け、そっとリィの手を離した。
全く起きそうにないその寝顔を見て少しほっとする。
オルゴールが置かれたデスクにつき、紙袋から木箱を取り出した。
何も考えないように、何も思い出さないように、何も感じないように。
ただ、淡々と数を数える。
すでに心の中に思い入れなんてものは多すぎるほどに存在している。
それらがあったままではこのオルゴールは開けられない。
ならば、一度すべてを追い出そう。
真っ白にできればいいけれど、残念ながら俺は黒く塗りつぶすことしかできそうにない。
だから、目を瞑って数を数えた。
無心――。
今度、禅寺にでも行ってみようかな。
あぁ、こういうことを考えた瞬間にバシって叩かれたりするんだろうな、なんて思いつつ、ひたすら数を数えた。
――千九十五。
目を開け、そっとリィの手を離した。
全く起きそうにないその寝顔を見て少しほっとする。
オルゴールが置かれたデスクにつき、紙袋から木箱を取り出した。