光のもとでⅠ
こんな話、人が聞いてどう思うかなんて、そんなの自分がよく知っている。
俺は、異常なんだ――。
自然と全身に力が入る。
座って俺を見ていた人が立ち上がった。
別に威圧するという感じではなく、ただ、立ち上がった。
「別にさ、俺は知りたくて訊くんじゃない。そこまで人のことを根掘り葉掘り訊くのは得意じゃない。翠葉と好きな女に関しては別だけど」
「……人に話せることとそうでないことってありますよね」
荒ぶる感情を抑えつけながら言葉にする。
「それなら紙に書き出したらどうだ? 思考整理には役立つ方法で有名だけど」
あくまでも普通に話しかけてくる。一提案として……。
「なんにせよ、こんな状態の唯をここから出すわけにはいかないし、何よりも翠葉を泣かせたくないんだよね。俺の事情で申し訳ないんだけど、これ以上翠葉に気持ち的な不安要素を作りたくないんだ。それは不整脈に直結するから」
「っ――」
「俺はずるいよ? 唯がこんなことを言われて動揺しないわけがないこともわかってる。それでも俺は翠葉を優先させるし、同時に唯を危険に晒すようなマネはできない」
俺は、異常なんだ――。
自然と全身に力が入る。
座って俺を見ていた人が立ち上がった。
別に威圧するという感じではなく、ただ、立ち上がった。
「別にさ、俺は知りたくて訊くんじゃない。そこまで人のことを根掘り葉掘り訊くのは得意じゃない。翠葉と好きな女に関しては別だけど」
「……人に話せることとそうでないことってありますよね」
荒ぶる感情を抑えつけながら言葉にする。
「それなら紙に書き出したらどうだ? 思考整理には役立つ方法で有名だけど」
あくまでも普通に話しかけてくる。一提案として……。
「なんにせよ、こんな状態の唯をここから出すわけにはいかないし、何よりも翠葉を泣かせたくないんだよね。俺の事情で申し訳ないんだけど、これ以上翠葉に気持ち的な不安要素を作りたくないんだ。それは不整脈に直結するから」
「っ――」
「俺はずるいよ? 唯がこんなことを言われて動揺しないわけがないこともわかってる。それでも俺は翠葉を優先させるし、同時に唯を危険に晒すようなマネはできない」