光のもとでⅠ
「別にさ、世間一般論で武装してもいいんだよ。けど、それには個性がないしつまらない。でもって、俺にはなんだか当てはまらないことが多いんだ。それは翠葉も同じで……。唯もそうなのかなって思った。ま、それを言うなら秋斗さんや藤宮の人間なんて誰一人として当てはまらないだろ? ちょっと安心するよな?」
 をぃ、ちょっと待て……。
 この人、自分の周りは皆類友扱いしたけどっ!?
 でも、それは一理あって、俺がその中にいて息苦しさを覚えないのは水があってるからなのか、とも思ったり……。
 正直、家や学校に行っているときはどこにいても酸欠状態で、すごく苦しかった。
「あんちゃん、俺はまともかな」
「まともかどうかは知らない。でも、俺には普通に見える。唯が持つ感情だとかそういうものを変だとは思わないし異常だとも思わないよ」
 なんともいえない気持ちになった。
 自分を否定されないというか、認められた、というか……。
 仕事やそういうものではなくて、人間として――人として認めてもらえた気がした。
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