光のもとでⅠ
 父さんも母さんも、仕事じゃないときはいつだって病院に行っていたし。
 家ではほとんどひとりだったから、誰に気を遣うって考えはなかったんだよね。
「家に人がいるってなんか新鮮……」
 いい加減床からは離脱……。
 さっきまであんちゃんが寝ていたベッドに寝転がる。
 さて、今日はどうしようかな。
 いや、どうしようじゃなくて仕事が待ってるか……。
 昨夜やらなかった分があるうえに、どんどん振られてくるんだろうからどうするもこうするもないや。
 俺の頭の中はまだあまり片付いていない。
 この際、自分が異常者でもいいとして、この気持ちのやり場っていうのはどうしたらいいものか……。
 両思いでした、はい終わり――。
 いや、実際にそれ以外の道はないし、それ以上に進展性もないんだけどさ。
 ま、俺が今冷静でいられていることがすでに異常なわけで……。
 あぁ、秋斗さんにも連絡しないといけないんだろうな。
 そんなことをぼーっと考えていると、ダースベーダーが俺を呼んだ。
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