光のもとでⅠ
「若槻、面白そうな顔をしているな」
 と、電話を切りにやりとこちらを見るオーナーは笑みを深めた。
 超怖えええええっ。
「考えてみれば、私だって彼女くらいの娘がいてもおかしくない年だ」
 なんて言葉を残し、「迎えに行ってくる」と席を立った。
 一番呆然としていたのはあんちゃんかもしれない。
 たぶん、あんちゃんの心の声的には、「それ、俺の役目なんですが……」かな。
 すると、間髪容れずに蔵元さんが、
「蒼樹さんはまず朝食を召し上がられてください」
 と、有無を言わずに目の前に座った。
 で、元を正せばなんでリィが早退することになったんだろうか。
「あんちゃん、リィ、具合悪いの?」
「いや、唯のことが心配で仕方がないみたい」
「……俺?」
 寝耳に水状態だ。
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