光のもとでⅠ
「了解です。考え、まとまりそうです?」
「粗方ね。まとまってはいるんだけど認めたくないっていうか……。でも、答えは出てる。あとは……そうだな、俺が腹据えたら、かな」
 自嘲気味に笑ってリィの調子を訊かれた。
「そうですね、体調的には一進一退というか、何も変わってないというか……。かろうじて学校には通っていますが結構つらそうに見えます」
 ホント、痛みがあってもあまり態度や顔に出さない。
 どうしても我慢できなくなる頃に顔を歪める。
 俺が気づく頃にはたいてい一段階目の薬は飲んだあとで、二段階目か三段階目の薬を飲むところまできてる。
 湊さんの話だと、学校で鎮痛剤を打つほどの発作を起こしたこともあるという。
 七月の頭にある期末考査。
 そこに標準を定めてがんばってるみたいだけど、本当に大丈夫なのか、見てるこっちがハラハラする。
 そんな話をすれば、
「そっか……。じゃ、少し早くにがんばらないとな」
 と、秋斗さんが口にした。
 この人は何をどうするつもりなんだろうか。
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