光のもとでⅠ
熱っぽいのは太陽に当たったからだろうか。
呼吸が上がらないようにはコントロールできるけど、これはやっぱり保健室に向かうべきだったのかもしれない。
そう思っているところに桃華さんがやってきた。
きれいに揃えられた指が伸びてきて、額に触れるとひんやりと感じて気持ちが良かった。
「やだ、熱い……。熱射病かしら」
不安そうに顔を覗き込まれる。
桃華さんが動くたびにサラサラと音を立てる髪の毛が好き。
実際には音は鳴っていないのだけど、私の頭が勝手に脳内補完をしてくれる。
こんな湿気の多い季節なのに、湿度なんて関係ないみたいにサラサラしている。
「藤宮司っ」
対角線とも言える場所にいた司先輩をフルネームで呼びつけると、
「そっちの集計代わるから翠葉お願い」
「やっ、桃華さん。大丈夫、私ひとりで保健室に戻るから」
こんなに忙しそうなのに、私に付き添いなんてだめっ。
「翠葉、安心して。あの男、次のリレーに出るからどっちにしろ外へは行かなくちゃいけないの」
桃華さんに腕を引かれて立ち上がり、誘導されるままに司先輩のもとへ行った。
呼吸が上がらないようにはコントロールできるけど、これはやっぱり保健室に向かうべきだったのかもしれない。
そう思っているところに桃華さんがやってきた。
きれいに揃えられた指が伸びてきて、額に触れるとひんやりと感じて気持ちが良かった。
「やだ、熱い……。熱射病かしら」
不安そうに顔を覗き込まれる。
桃華さんが動くたびにサラサラと音を立てる髪の毛が好き。
実際には音は鳴っていないのだけど、私の頭が勝手に脳内補完をしてくれる。
こんな湿気の多い季節なのに、湿度なんて関係ないみたいにサラサラしている。
「藤宮司っ」
対角線とも言える場所にいた司先輩をフルネームで呼びつけると、
「そっちの集計代わるから翠葉お願い」
「やっ、桃華さん。大丈夫、私ひとりで保健室に戻るから」
こんなに忙しそうなのに、私に付き添いなんてだめっ。
「翠葉、安心して。あの男、次のリレーに出るからどっちにしろ外へは行かなくちゃいけないの」
桃華さんに腕を引かれて立ち上がり、誘導されるままに司先輩のもとへ行った。