光のもとでⅠ
 今の声が誰のものかはわからないけど、男子……。
 自然と身体が萎縮する。
 すると、手の上に大きな手が乗った。
「……海斗、くん?」
 海斗くんの顔を見るときは必然的に見上げる姿勢になる。
「翠葉、違うよ。責めてるわけじゃなくて、翠葉がそんなに申し訳なさそうにしてると俺たちがいじめてる気分になるって、そういう意味」
「あっ、ごめんなさいっっっ」
 反射的に口にすると、
「だからぁっ! 御園生さん、謝りすぎっ」
「高木くん……?」
「そう、俺の名前は?」
「理科の理と漢数字の一で理一(りいち)くん」
「ピンポン。ほら、端からクラス全員の名前フルネームで言ってみ? それでチャラだよ。なっ?」
 高木くんがみんなに同意を求めると、「OK」「ラジャ」「了解」とあちこちに声が上がる。
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