光のもとでⅠ
03
今日から午前授業が始まり、帰りは歩いて帰ることにした。
マンションまでは海斗くんと司先輩も一緒だから安心。
大勢の人が下校する中、三人並んで坂道を登る。
雨は降っていないものの、じめっとした空気の中、私はまるで酸欠の魚のようだ。
息が上がって少し苦しい……。
「翠葉、かばん持ってやるから」
と、海斗くんに言われ、そのまま手に持っていたかばんを奪われた。
「翠、手……」
二歩くらい前を歩く先輩が手を差し伸べてくれる。
「さすがに引っ張ってもらわなくても大丈夫です」
そうは言ったけど、「いいから」と強引に手を取られた。
その瞬間にいつかのように車のクラクションが鳴らされる。
歩道に寄せられた車は見たことのない車だけれど、運転手は知っている人だった。
マンションまでは海斗くんと司先輩も一緒だから安心。
大勢の人が下校する中、三人並んで坂道を登る。
雨は降っていないものの、じめっとした空気の中、私はまるで酸欠の魚のようだ。
息が上がって少し苦しい……。
「翠葉、かばん持ってやるから」
と、海斗くんに言われ、そのまま手に持っていたかばんを奪われた。
「翠、手……」
二歩くらい前を歩く先輩が手を差し伸べてくれる。
「さすがに引っ張ってもらわなくても大丈夫です」
そうは言ったけど、「いいから」と強引に手を取られた。
その瞬間にいつかのように車のクラクションが鳴らされる。
歩道に寄せられた車は見たことのない車だけれど、運転手は知っている人だった。