光のもとでⅠ
栞さんがいない今、このドアの内側から出迎えてくれるのは唯兄だ。
ドアを開け、「ただいま」と声を発すると、キッチンから唯兄が出てきた。
だし汁のいい香りがする。
「おかえり……って顔色悪いなぁ……」
「ん、でも大丈夫。着替えて手洗いうがい済ませたら、ご飯の用意手伝うね」
それだけ伝えて、玄関脇の自分の部屋に入った。
唯兄の作るお昼ご飯は麺類が多い。
夕飯も麺類が多いものの、夕飯に関してはイタリアンでパスタ。
逆に、昼食は和食のお蕎麦かおうどん。
唯兄の作るご飯はびっくりするくらい美味しくて、しかも意外と栄養バランスが良かったりする。
意外すぎて蒼兄と顔を見合わせるばかりだ。
司先輩は隠し味に何を使っているのかを当てるのが日課になっているし、湊先生も驚くほどの腕前だった。
唯兄は、「家庭の域を出ませんよ」なんて言うけれど、それは謙遜だと思う。
ドアを開け、「ただいま」と声を発すると、キッチンから唯兄が出てきた。
だし汁のいい香りがする。
「おかえり……って顔色悪いなぁ……」
「ん、でも大丈夫。着替えて手洗いうがい済ませたら、ご飯の用意手伝うね」
それだけ伝えて、玄関脇の自分の部屋に入った。
唯兄の作るお昼ご飯は麺類が多い。
夕飯も麺類が多いものの、夕飯に関してはイタリアンでパスタ。
逆に、昼食は和食のお蕎麦かおうどん。
唯兄の作るご飯はびっくりするくらい美味しくて、しかも意外と栄養バランスが良かったりする。
意外すぎて蒼兄と顔を見合わせるばかりだ。
司先輩は隠し味に何を使っているのかを当てるのが日課になっているし、湊先生も驚くほどの腕前だった。
唯兄は、「家庭の域を出ませんよ」なんて言うけれど、それは謙遜だと思う。