光のもとでⅠ
「翠葉、すごくつらそうな顔してる。そうまでして笑わなくていいのに……」
咄嗟に隣に座る蒼兄の顔を見る。と、
「訊かないでいてやることはできる。でも、つらい顔をしているのは見なかったことにはできない」
「っ……蒼兄、テスト終わったら、帰りたい……」
右側に座る蒼兄の手を握った。
握った手が震える。
「いいよ、そうしよう。ここはもともと家じゃない。俺たちの家は幸倉だ」
その言葉にコクリと頷く。
理由は訊かずに了承してくれた。
そこに、「たのもーっ!」と廊下から唯兄の声がかかる。
「くっ、唯か。翠葉、ドア開けてやんな」
そう言われてドアを開けに行くと、トレイに三人分のお茶とフルーツサンドを乗せた唯兄が立っていた。
「俺も入っていい?」
「どうぞ」
「じゃ、失礼しまーす」
ドア口で唯兄の動きを見ていると、
「ほら、お茶冷めちゃうよ」
と、席に着くよう促された。
咄嗟に隣に座る蒼兄の顔を見る。と、
「訊かないでいてやることはできる。でも、つらい顔をしているのは見なかったことにはできない」
「っ……蒼兄、テスト終わったら、帰りたい……」
右側に座る蒼兄の手を握った。
握った手が震える。
「いいよ、そうしよう。ここはもともと家じゃない。俺たちの家は幸倉だ」
その言葉にコクリと頷く。
理由は訊かずに了承してくれた。
そこに、「たのもーっ!」と廊下から唯兄の声がかかる。
「くっ、唯か。翠葉、ドア開けてやんな」
そう言われてドアを開けに行くと、トレイに三人分のお茶とフルーツサンドを乗せた唯兄が立っていた。
「俺も入っていい?」
「どうぞ」
「じゃ、失礼しまーす」
ドア口で唯兄の動きを見ていると、
「ほら、お茶冷めちゃうよ」
と、席に着くよう促された。