光のもとでⅠ
08
コンコン――。
ノックの音……。
「入るよ」
と、ドアを開けて入ってきたのは静さんだった。
窓から差し込む光はすでに薄暗い。
けれど電気は点けずに入ってくる。
「身体の具合はどうだい?」
「例年と同じです……」
「そうか……。じゃぁつらい時期なのだろうね」
「……両親から聞いているんですか?」
「あぁ、非常に大まかにだけどね。湊も楓も守秘義務とかで教えてはくれないからな」
お医者様だものね……。
「そろそろ夕飯なんだが起きられるかい?」
「はい」
でも、食卓が怖い――。
「……どうかした?」
「いえ……食欲がなくて」
「須藤の料理だ。きっと大丈夫だよ」
静さんに大丈夫だよ、と言われると、根拠はなくても大丈夫な気がしてくるから不思議。
そういう要素を持っているからこそ、人を率いることができるのだろうか。
ノックの音……。
「入るよ」
と、ドアを開けて入ってきたのは静さんだった。
窓から差し込む光はすでに薄暗い。
けれど電気は点けずに入ってくる。
「身体の具合はどうだい?」
「例年と同じです……」
「そうか……。じゃぁつらい時期なのだろうね」
「……両親から聞いているんですか?」
「あぁ、非常に大まかにだけどね。湊も楓も守秘義務とかで教えてはくれないからな」
お医者様だものね……。
「そろそろ夕飯なんだが起きられるかい?」
「はい」
でも、食卓が怖い――。
「……どうかした?」
「いえ……食欲がなくて」
「須藤の料理だ。きっと大丈夫だよ」
静さんに大丈夫だよ、と言われると、根拠はなくても大丈夫な気がしてくるから不思議。
そういう要素を持っているからこそ、人を率いることができるのだろうか。