光のもとでⅠ
 オードブルやサンドイッチを少しつまむとお腹はすぐいっぱいになる。
 でも、サンドイッチ一切れと小さなオードブルをふたつ……。
 カロリー的には全然足りていない。
「もう少し食べないか?」
 蒼兄に勧められるけど、食べられる気がしない。
「お嬢様、せめてこちらはお飲みください」
 すかさず須藤さんに差し出されたのはお昼のスープだった。
「少しだけご飯の分量とオリーブオイルを足してあります。これからお勉強をなさるのでしょう?」
 と、カップを手に持たされる。
「たんぱく質はブドウ糖へ変わり、脳の栄養にもなります。これだけは摂取させるように、と料理長からきつく言われておりますし、裏ごしもしましたので口当たりも滑らかですよ」
「須藤さん、お手数かけて申し訳ないです」
 蒼兄が謝ると、
「私は好きで料理をしていますから」
 と、答えてカウンターの中へと戻っていった。
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