光のもとでⅠ
 カウンター内から視線を感じ、須藤さんのもとへ行く。
「須藤さん、お昼のフルーツサンドもお夕飯もとても美味しかったです。ご馳走様でした」
「いえ、試験期間は毎日こちらにお邪魔することになっておりますので、食べたいものなどございましたらなんなりと」
 白い制服に身を包み、大きな手をしている須藤さん。
 その大きな手があの繊細な料理を作り出すというのはなんとも不思議だ。
「……野菜のスープ。あれならたくさん飲めそうです。それからフルーツサンドも普通のサンドイッチも美味しかったです」
 極力自分が食べやすいものを伝える。
「ご飯よりもパンのほうが食べやすいですか?」
 訊かれて即座に「はい」と答えた。
「それでは明日はパンの種類を少し増やしましょう。ホテルブレッドやライ麦パン、ピザがお好きでしたらピザやカルツォーネなど……」
 と、色々と話してくれる。
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