光のもとでⅠ
「では、明日はリゾットかお雑炊もお作りいたしましょうか」
「あ、あのっ――」
困った……。
「なんでしょう?」と言うような視線が返ってきて、苦し紛れに「おにぎり」と答えた。
「おにぎり?」
唯兄が復唱して首を傾げる。
「はい……あの、梅のおにぎりが食べたい、です……」
おにぎりなら手で食べられる。
「梅のおにぎりがお好きなのですか? 鮭やおかか、昆布はいかがでしょう?」
「あ、えと……なんでも好きです」
でも、須藤さんの手を見て想像してしまう。
その大きな手が握るおにぎりとはどのくらいの大きさだろうか、と。
じっとその手を見ていると、
「どうかなさいましたか?」
と、訊かれる。
「須藤さんの手だとどのくらいの大きさのおにぎりが作られるのか……」
今までの会話にはいなかった人の声が加わった。
びっくりして声の主に視線を向けると、司先輩がカウンター向こうからこちらを見下ろしていた。
「あ、あのっ――」
困った……。
「なんでしょう?」と言うような視線が返ってきて、苦し紛れに「おにぎり」と答えた。
「おにぎり?」
唯兄が復唱して首を傾げる。
「はい……あの、梅のおにぎりが食べたい、です……」
おにぎりなら手で食べられる。
「梅のおにぎりがお好きなのですか? 鮭やおかか、昆布はいかがでしょう?」
「あ、えと……なんでも好きです」
でも、須藤さんの手を見て想像してしまう。
その大きな手が握るおにぎりとはどのくらいの大きさだろうか、と。
じっとその手を見ていると、
「どうかなさいましたか?」
と、訊かれる。
「須藤さんの手だとどのくらいの大きさのおにぎりが作られるのか……」
今までの会話にはいなかった人の声が加わった。
びっくりして声の主に視線を向けると、司先輩がカウンター向こうからこちらを見下ろしていた。