光のもとでⅠ
「ほーら、ふたりともそろそろ起きろー」
 蒼兄の声……。ふたり……?
 私の視界には蒼兄しかいない。
 寝たままベッドの下を見ると、ラグの上にタオルケットに包まった唯兄がいた。
 それは私が寝るときに自分にかけたタオルケットで、今の私には薄手の羽毛布団がかけられている。
「うぅぅぅぅぅん……まだ眠いぃぃぃ……」
「とっとと洗面して着替えてリビングに来い。朝ご飯用意してある」
 と、蒼兄は部屋を出ていった。
 唯兄はあのあと部屋には戻らずここで寝たようだ。
 私は洗面を済ませてからルームウェアに着替えた。
 唯兄は私が洗面所を出たあとにシャワーを浴びたみたい。
 リビングには小さなおにぎりがふたつと野菜のどろどろスープが用意されていた。
 それからグレープフルーツも用意されている。
 唯兄のおにぎりは私のものよりも大きくて三つ。
 それとワカメと玉ねぎのお味噌汁だった。
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