光のもとでⅠ
「あの……今回は全然できてなくて、見てもらうのもおこがましいくらいだから――遠慮します」
 そんなふうに断ると、
「何なにっ!? リィの勉強なら俺が見たいっ! クイズ方式で楽しんでやろうよ!」
 クイズ方式、かぁ……。
 月曜日のテストは暗記科目が多いけど、もうシャーペンを持つのはつらいから、クイズ方式なら大丈夫かもしれない。
 結局、唯兄の押しに負ける形で見てもらうことになった。
 二時には起こしてくれるというのでベッドに横になりうとうとしていた。
 今頃、海斗くんと司先輩は一緒に勉強してるんだろうな。
 海斗くんはまたこってりと絞られていることだろう。
 私、なんで学校に通っているのかな……。
 勉強は嫌いじゃない。でも、いつかそれが役に立つときがくるのだろうか。
 学校に通うことやここにいることの意味。
 自分の存在価値に答えが欲しい。
 簡単に見つかるものではないことくらいわかっている。
 でも、知りたくて仕方がない。
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