光のもとでⅠ

　自宅までは静さんが送ってくれた。
　家に着いて家の構造を簡単に説明すると、疲れからか貧血を起こした。
「少し休むといい」
　静さんに自室へ運ばれベッドに横になると、
「今日は私が昼食を作ろう」
　と、どこか楽しそうに話す。
「静さんはお料理ができるんですか？」
「それなりにね」
　笑うと、静さんは背後にいた唯兄に声をかけた。
「買い物に行ってくるから翠葉ちゃんを頼む」
　部屋を出ていった静さんの背中を見ながら、
「ねぇ、リィ……。ナンバーツーだよ？　ナンバーツーに料理作ってもらったら、俺達どれだけ働かされるのかなぁ……。すんごい仕事を振られても文句言えなくなりそうで怖い」
　唯兄の表情が憔悴に近いものになっていく。
　……普段唯兄はどれくらいの仕事をこなしているのだろうか。
　そんなことが少し不安になった。