光のもとでⅠ
 ならば、誰が連絡を入れたのだろう。
 蒼兄ではないだろうし、唯兄でもないと思う。
 ほかの人には今日話したくらいだ。
「湊先生から連絡があってびっくりして帰ってきちゃったわ」
 その言葉に答えを得る。
「とにかく横になりなさい」
 横になると、
「ご飯は食べられているの?」
「うん、さっき静さんお手製の手巻き寿司をいただいたの」
 安心してもらいたくて、つい笑顔で答える。
「そう」と、額に乗せられた手が汗ばんでいた。
「まだ大丈夫だよ。耐えられる痛みだから」
 お母さんは何も言わず、少し悲しそうな表情をした。
「碧も昼はまだなんだろ? 向こうで昼食くらいゆっくり食べろ」
 静さんに促され、お母さんは部屋を出ていった。
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