光のもとでⅠ
 それから三日経ってもお母さんは家にいた。
 今日は土曜日だと、携帯のディスプレイが教えてくれる。
 もう、自分で日付を負うのが難しくなっていた。
 今日が何日で何曜日なのか、常に携帯を見ないとわからない。
 発作が起きては体力を消耗し、疲れすぎた身体は食べ物を欲しない。
 まだ受け付けない、というところまではいかないからいいようなものの、消費しているエネルギーと摂取しているカロリーの均衡が保たれていないことなど自分でもわかっていた。
 お母さんと蒼兄、唯兄が入れ替わり立ち代りで私の様子を見に来る。
 きっと、私が寝ている間もそれは変わらないのだろう。
 そんなことを感じつつの午前中だった。
 お昼を回るか回らないか、そんな時間にインターホンが鳴った。
 インターホンが鳴るということはお父さんではない。
 お母さんが階段を下りてきて玄関に向かう。
 お客様かな? でも、今年は通常の仕事は受けないと言っていた。
 横になって久遠さんの写真を見つつ、意識は玄関の方へ向かう。
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