光のもとでⅠ
「……お父さんとお母さんには言わないでくれる?」
蒼兄は、「話による」と答えた。
「ごめん。それなら言えない」
「……翠葉、父さんと母さんだって心配なんだ。少しは気持ちを汲んでやってほしい」
それはわかる。
わかるけど、私にも譲れないものがある。
「今、俺を呼ばなかったのは俺にも知られたくなかったから?」
それはきっと的を射ている。
「唯は知ってたからか?」
コクリと頷くと、
「そうやって翠葉はすぐにひとりになろうとする」
と、やるせない顔をされた。
「父さんと母さんに黙ってさえいれば、俺はそっち側にいけるのか?」
今後はわからない。でも、今なら"Yes"だ。
「なら、言わない……」
だから教えてくれ、とでも言うように、冷たくなっていた指先を握られた。
じんわりと蒼兄の体温が伝う。
蒼兄は、「話による」と答えた。
「ごめん。それなら言えない」
「……翠葉、父さんと母さんだって心配なんだ。少しは気持ちを汲んでやってほしい」
それはわかる。
わかるけど、私にも譲れないものがある。
「今、俺を呼ばなかったのは俺にも知られたくなかったから?」
それはきっと的を射ている。
「唯は知ってたからか?」
コクリと頷くと、
「そうやって翠葉はすぐにひとりになろうとする」
と、やるせない顔をされた。
「父さんと母さんに黙ってさえいれば、俺はそっち側にいけるのか?」
今後はわからない。でも、今なら"Yes"だ。
「なら、言わない……」
だから教えてくれ、とでも言うように、冷たくなっていた指先を握られた。
じんわりと蒼兄の体温が伝う。