光のもとでⅠ
「蒼くん……こういうときはどうしたらいいのかしら」
栞さんは蒼兄に助けを求めた。
すると、ギシ、とベッドが音を立て、
「こうやって抱きしめていればじきに泣き止みますよ」
と、いつものように蒼兄が抱きしめてくれた。
蒼兄の胸から一定の速度で鼓動が聞こえてくる。
落ち着こう、落ち着こう、落ち着こう――。
そう心の中で唱えていると、前にもこんなことがあった気がしてそれを思い出そうとした。 思い出すのに時間はかからなかった。
秋斗さんが熱を出して仮眠室で寝ていたとき、あのときも心配で何もできない自分が情けなくて、湊先生の前で大泣きしたのだ。
そのときも、湊先生に抱きしめてもらったな、なんて思い出していると少し冷静になることができた。
私、小さい子みたいだ……。
そう思うとすごく恥ずかしかった。
栞さんは蒼兄に助けを求めた。
すると、ギシ、とベッドが音を立て、
「こうやって抱きしめていればじきに泣き止みますよ」
と、いつものように蒼兄が抱きしめてくれた。
蒼兄の胸から一定の速度で鼓動が聞こえてくる。
落ち着こう、落ち着こう、落ち着こう――。
そう心の中で唱えていると、前にもこんなことがあった気がしてそれを思い出そうとした。 思い出すのに時間はかからなかった。
秋斗さんが熱を出して仮眠室で寝ていたとき、あのときも心配で何もできない自分が情けなくて、湊先生の前で大泣きしたのだ。
そのときも、湊先生に抱きしめてもらったな、なんて思い出していると少し冷静になることができた。
私、小さい子みたいだ……。
そう思うとすごく恥ずかしかった。