光のもとでⅠ
 私は意味もわからずに、「はい」と答えた。
「君は、親の立場から言わせればすごく酷なことを両親に望んでいる。でも、それは私も同じだ。ビジネスの立場からものを言えば、現場責任者が連日席を外すことを許せはしない」
 逃げ場のない言葉たちが私の身を縛り付ける。
 けれど、そこまで言うと静さんは顔に笑みを戻した。
「私も翠葉ちゃんと変わらない。碧に酷なことを言った。だから、時間が許す限りは碧と一緒に過ごしてやってほしい」
 それはお母さんを擁護するような響きを持っていた。
 お父さんが、静さんはお母さんに甘いと言っていた。そんな人がお母さんに厳しいことを言ったのだ。
 もしかしたら、それは私が言わせたのかもしれない。
 湊先生に力になってほしいとお願いしたのは午前の出来事。
 先生は「差し出がましい真似はしたくない」と言いつつ、きっと静さんに助力を申し出てくれたのだろう。
 私はまた、何か重いものを背負ってしまった気がした。
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