光のもとでⅠ
 これだけ見れば、自宅に帰ってきて正解だったと思える。
 気持ち的には自宅にいるほうが断然楽なのだ。
 人がたくさんいると、その人たちを全く感じずには生活をすることができない。
 マンションでの暮らしは常に誰かの手を借りながらの生活だった。
 主には栞さんであり、司先輩や湊先生。
 時には美波さんやコンシェルジュの方たちにもお世話になってしまう。
 自宅なら差し出される手が限られる。
 その分、その手にかかる負担も大きくなる。
 それはわかっているけれど、それでも自宅の方が気持ちがとても楽……。
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