光のもとでⅠ
 お母さんの言葉がどういう意味をもつのか、すべてを理解できたわけではない。
 けれども、私はその言葉を噛みしめるように頷いた。
「あ……お母さん、私、火曜日は午前中だけ学校に行かないと単位が足りなくなっちゃうの」
「わかった。帰りは私が迎えに行くから、行きをどうするかは蒼樹と話し合いましょう」
 私たちは明後日の予定を話して部屋の電気を消した。


 * * *


 翌日、月曜日は地味な痛みが続いてはいるものの、発作的な痛みがくることはなかった。
 激痛発作がやってくるのはいつか――。
 大きな不安を抱えてる毎日。
 こんな日々、早く終わればいいのに……。
 気分転換にピアノを弾こうと思い部屋を出た。
 二階へ上がろうと階段を上り始めると、物音に気づいた唯兄が部屋から顔を出し、私のもとまで駆け寄る。
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