光のもとでⅠ
「……何度言っても足りない気がするから、何度も言いたいんです」
先輩は足を止めてため息をついた。
「俺はそのたびに返事をしなくちゃいけないんだけど」
なんとなく面倒って顔。
それでも、この先輩は言われるたびに答えようとしてくれているのだ。
そんなところも司先輩の優しい部分。
「先輩、ひとつ謝罪」
「何」
「先輩は格好いいけど意地悪、じゃなくて、格好良くてすごく優しい人、です」
「…………」
「……先輩?」
司先輩は一瞬下を向いてから、今上がってきた階段を振り返った。
「それはつまり……氷の女王撤回ってことでいいのか?」
「……そうですね。でも、あれは氷の女王スマイルだと思いますよ?」
そんな会話をしているとチャイムが鳴り、教室の前のドアから佐野君が出てきたところだった。
佐野くんはびっくりしつつも司先輩から点滴スタンドを受け取り、窓際の席まで付き添ってくれた。
先輩は足を止めてため息をついた。
「俺はそのたびに返事をしなくちゃいけないんだけど」
なんとなく面倒って顔。
それでも、この先輩は言われるたびに答えようとしてくれているのだ。
そんなところも司先輩の優しい部分。
「先輩、ひとつ謝罪」
「何」
「先輩は格好いいけど意地悪、じゃなくて、格好良くてすごく優しい人、です」
「…………」
「……先輩?」
司先輩は一瞬下を向いてから、今上がってきた階段を振り返った。
「それはつまり……氷の女王撤回ってことでいいのか?」
「……そうですね。でも、あれは氷の女王スマイルだと思いますよ?」
そんな会話をしているとチャイムが鳴り、教室の前のドアから佐野君が出てきたところだった。
佐野くんはびっくりしつつも司先輩から点滴スタンドを受け取り、窓際の席まで付き添ってくれた。