光のもとでⅠ
「でも、大丈夫よ。上位二十位内にはしっかり入っていたから」
「本当っ!?」
 思わず立ち止まってしまう。
 さすがに今回のテストでは二十位以内は難しいと思っていたから。
「総合得点一二四八点、学年で九位」
 教えてくれたのは司先輩だった。
 期末考査は全部で十三科目あるから、一三〇〇点が合計点になる。
 その内の一二四八点か……。
 何で足を引っ張ったのかな。でも、とりあえずは二十位以内に入っていたことを喜ぶべきなのかな……。
「テスト、今日返されるんだろうなぁ……。やだな」
「翠葉……つくづく素で嫌みな子ね」
 にこりと冷気が漂う笑顔を湛えているのは桃華さん。
「私なんて普通に授業に出席していて十位なんだけど……」
 苦笑で受け流すと、
「足引っ張ってるのは古典や世界史だろ。数学と化学が満点って話は先生から聞いてる」
 嘘……。確かに理系の科目は解答欄を埋めることはできたけど、満点を取る自信は全くなかった。
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