光のもとでⅠ
 目が覚めたのは翌朝六時。
 基礎体温計のアラームで目が覚めた。
 お母さんも同じように目を覚まし、
「具合どう?」
「今は痛くないみたい。だから、今のうちにお風呂に入っちゃおうかな」
「じゃ、用意してくるから少し待ってなさい」
「うん、お願いします」
 お母さんが家を出るのは午後一時。
 それまでに発作が起きないことを祈る。
 せめて、送り出すときくらい笑顔で見送りたい。
 そう思えば、予防的に薬を飲むという行動に出るのはごく自然なことだった。
 ご飯も食べずに薬を飲んだら胃を荒らす。
 そうとわかっていても飲まざるを得なかった。
「どうしたの? 怖い顔をして」
 お母さんに声をかけられて我に返る。
「えぇと……少し成績落ちちゃったなぁ、と思って」
 ローテーブルに置いてあるテスト結果を指差した。
「それでも悪い成績じゃないし、私や零はこんなことじゃ怒らないわよ?」
 真顔で言われて少し罪悪感を覚える。
 私、どれだけ嘘を重ねればいいんだろう……。
「お風呂の用意できたから入ってらっしゃい」
「うん」
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