光のもとでⅠ
 朝食が終わり、薬を飲んで横になると、サイドテーブルに置いてあるカレンダーが目についた。
 今日は七月十四日水曜日。
 今週の土曜日が終業式で、十八日の日曜日からは夏休みだ。
 毎年、たいてい十九日から二十一日には梅雨明けとなる。
 今年も予想では十九日に梅雨明けと言っていた。
 なのに、どうしてだろう……。
 一向に痛みが軽減する気配がない。
 それどころか、どんどん痛みの範囲は広がるし、痛みのレベルも上がっている気がする。
 連日痛いのは日常茶飯事。けれど、苦痛を伴う痛みが続くことはそうそうあることではなかった。
 一日の間にまとまった睡眠を取れる日はまだいい。けれども、いずれは痛みで眠れない日がくるのではないだろうか、という不安が常に付きまとう。
 その不安を紛らわせるために、大好きな久遠さんの写真集を眺めて過ごしていた。
 久遠さんの写真は久遠さんのフィルターを通した世界が広がっていて、幻想的な世界に見える。
 雫ひとつもキラキラとした宝物のように思えた。
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