光のもとでⅠ
「……でも、人は自分の醜いところを人に見せたいとは思わないでしょう?」
「醜いものが何を指すのか教えてよ」
「……具合が悪くなってどんどんやつれていく自分とか、不安定な気持ちで心無い言葉を人にぶつけてしまうのとか……」
 言おうと思えばいくらでも言える気がした。
「それが人間なんじゃないの? 具合悪くて肌の色艶良かったら気持ち悪いし、不安定な感情を持った人間がまともなことを口にしてたら変じゃない?」
 それはそうなのだけど……。
「周りはそんなの知ったうえで側にいるんだろうから、そういうのは気にしなくていいのに。なのに、リィは気にするんだ?」
 私はコクリと頷く。すると、
「自意識過剰、見栄っ張りの意地っ張り」
 唯兄の言葉にはっと顔を上げる。と、
「人の視線気にしすぎ。自分を良く見せようとしすぎ。自分は耐えられると過信しすぎ」
 唯兄に言われてひとつ訂正する。
「唯兄、ひとつ訂正。最後のは違う。私は弱い人間だから、だから一生懸命強いふりをしているだけ」
「……それで自爆してたらダメでしょ」
 突如額にデコピンを食らう。
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